ラベンダー史(フランス目線)
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先日のチームムエットでラベンダーを扱ったラベンダーの歴史を国ごとにみていきたいなと思います。
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フランスのラベンダーは、その美しい風景と香り高い精油で世界的に有名です。この花の歴史は古く、起源から現代に至るまでの発展、利用方法、そして精油の重要性について掘り下げてみましょう。
起源と古代の利用
ラベンダーの起源は地中海地域に遡り、紀元前から存在していたとされます。古代エジプトではミイラを作る際の防腐剤として、また香油として使われていました。ローマ帝国時代には、ラベンダーは洗浄、香り付け、薬用として広く利用されていました。ローマ人は公共の浴場や洗濯物の香り付けにラベンダーを使用し、その名前もラテン語の「lavare」(洗う)に由来します。
中世ヨーロッパとラベンダー
中世ヨーロッパでは、ラベンダーは薬草としての価値が高く評価され、修道院の庭で栽培されていました。ペストの流行時には、ラベンダーを身につけることで病気から守るためのお守りとして使われたり、洗浄や空気の清浄に用いられました。この時代から、ラベンダーは美しい香りだけでなく、その薬効によっても重宝されていました。
フランスのラベンダー
フランスにおけるラベンダーの栽培は、特にプロヴァンス地方で盛んになりました。17世紀には、フランス王室でもラベンダーの香りが愛され、香水や石鹸の製造に利用されるようになります。プロヴァンスの温暖で乾燥した気候はラベンダーの栽培に最適であり、ここから世界へとその名声が広がっていきました。
精油の発展と現代の利用
20世紀に入ると、ラベンダーの精油抽出技術が向上し、その利用方法も多様化しました。ラベンダー精油は、アロマセラピーでの利用が特に有名で、ストレス解消、安眠促進、皮膚の治療など、様々な効果があるとされています。現代では、化粧品、香水、家庭用品の香り付け、食品の風味付けなど、幅広い用途で利用されています。
フランスのラベンダーは、その歴史的背景と多様な利用方法により、今もなお多くの人々を魅了し続けています。プロヴァンス地方のラベンダー畑は、見る者を魅了する美しさで知られ、観光の名所ともなっています。ラベンダーの花が咲く季節には、世界中から多くの観光客がその美しい風景と香りを楽しみに訪れます。
2000年頃からフランスのラベンダー産業は「ラベンダー枯れ病」と呼ばれる大問題に直面しています。この病気はStolburファイトプラズマ感染症によって引き起こされ、ヨコバイを介して拡散し、ラベンダーの大量枯死を引き起こしました。2010年頃には特に深刻な被害が報告され、フランス国内のラベンダー精油市場の多くがブルガリア産に置き換わるほどでした。現在、耐病性品種の開発や種子まき栽培法などの対策が進められていますが、完全な解決には至っていません。
野生種をみかけなくなったのもこのころです。。。