Team Mouillette 2026年8月 開催レポート
オーデコロンと聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、レモンやベルガモット、オレンジなどの柑橘の香りではないでしょうか。
確かに、オーデコロンの第一印象をつくるのは、明るく弾けるようなシトラスです。
けれど、その軽やかさは本当に柑橘だけでできているのでしょうか。
今月のTeam Mouilletteでは、「オーデコロン」をテーマに、名前を伏せたムエットを手がかりに、香りの構造をたどっていきました。
軽やかさを支えているもの
今回の流れは、柑橘から始まり、花、ハーブ、スパイス、針葉樹、樹脂、そして根へ。
一見するとオーデコロンとは結びつきにくい素材も含まれています。
それぞれを単独で嗅ぐのではなく、順番に並べていくことで、
「この香りがあるから、次の香りが軽く感じられる。」
「この素材が、柑橘と樹脂の間をつないでいる。」
そんな構成の面白さが少しずつ見えてきます。
オーデコロンは、トップノートだけの香りではありません。
軽やかさを支える、たくさんの名脇役たちがいることを改めて感じる時間となりました。
名前を知らないから、生まれる言葉
Team Mouilletteでは、最初に素材名を明かしません。
香料の名前や産地を知る前に、まず自分が何を感じたのかを大切にします。
今回も、
「PEZみたい。」
「シュワッとする。」
「お香っぽい。」
「インドっぽい。」
そんな言葉が自然に生まれました。
同じ香りを嗅いていても、受け取る印象は人それぞれです。
だからこそ、「正解」を探すのではなく、「私はこう感じた」という感覚を持ち寄ることで、新しい見方が生まれていきます。
比較することで見えてくること
今回、印象的だったのは、天然のローズウッドと、Nature Identical(NI)のローズウッドを並べて比較したことでした。
「天然だから良い」「合成だから悪い」という二択ではなく、
それぞれがどんな表情を持ち、どんな役割を果たせるのか。
実際に嗅ぎ比べることで、それぞれの個性がより立体的に見えてきます。
香りを理解することは、優劣を決めることではありません。
違いを知り、その素材がどんな場面で力を発揮するのかを考えること。
それも、Team Mouilletteが大切にしている視点です。
前回から続いたサンダルウッドの話
前回のテーマだったアッターでは、参加者からサンダルウッドについて多くの質問が寄せられました。
そこで今回は、インドのサプライヤーに追加で問い合わせた内容もご紹介しました。
マイソールだけでなく、インド各地で栽培されていること。
産地や土壌、樹齢、気候、抽出ロットなどによって、同じサンダルウッドでも香りが変化すること。
そして、伝統的なアッターでは、純粋なサンダルウッド精油を受器として使い、花やハーブの香りを受け止めていくという製法についても教えていただきました。
一つのテーマが終わっても、そこで生まれた疑問が翌月へつながっていく。
そんな積み重ねも、この会の楽しさの一つです。
今月の問い
最後に残った問いは、
「軽やかな印象を保ったまま、香りに奥行きと持続を与えるには、どんな素材が使えるだろう。」
ということでした。
私はアンブレットシードを思い浮かべました。
参加者からは、ベチバーやアンバーグリスなど、さまざまな意見も挙がります。
答えを決めることではなく、次の探究へつながる問いを持ち帰ること。
それもまた、Team Mouilletteらしい終わり方なのかもしれません。
おわりに
香りは、名前を知る前から私たちに何かを感じさせます。
その小さな違和感や発見を持ち寄り、比べ、言葉にし、もう一度香りに戻る。
そんな時間を積み重ねることで、香りを見る視点は少しずつ広がっていきます。
今月も、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
Team Mouillette チームムエットについて
Team Mouilletteは、Air Of Fragrance🄬が毎月開催しているオンラインの香りの会です。
名前を伏せたムエットを手がかりに、先入観にとらわれず香りを観察し、感じたことを言葉にしながら、素材や調香について一緒に探究しています。
どなたでもご参加いただけます。
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