「好きな香り」と「身体が選ぶ香り」は、同じなのだろうか(8月29日 AMBER WONDER 3調香会振り返り)

「好きな香り」と「身体が選ぶ香り」は、同じなのだろうか(8月29日 AMBER WONDER 3調香会振り返り)

香りを選ぶとき、私たちは普通、

「好き」
「嫌い」

で判断します。

甘い香りが好き。
柑橘が好き。
樹木の香りが落ち着く。
この花の香りは苦手。

でも先日、8月29日に開催した「Amber Wonder 3 調香会」で、少し違う香りの選び方を試してみました。

それは、

頭で選ぶのではなく、身体に香りをたずねてみること。

好きじゃないのに、なぜか身体が反応する香り

今回の調香会では、キネシオロジーの考え方を使いながら、一つひとつの香りに対する身体の反応を確認していきました。

すると面白いことが起こります。

「これ、好きです」

という香りにはあまり反応せず、

「普段だったら選ばない」

という香りに身体が反応する。

そんな場面がありました。

香りに30年近く関わっている私にとっても、この違いはとても面白いものです。

私たちは、香りを鼻だけで感じているように思います。

けれど実際には、香りを嗅いだ瞬間に、

懐かしい。
怖い。
安心する。
なぜかわからないけれど惹かれる。

そんな反応が起こることがあります。

香りは、言葉より少し前の場所に触れる感覚なのかもしれません。

クジラ、母の胎内、漆黒の闇

今回の「Amber Wonder」というテーマから、私の中に浮かんでいたのは、

クジラ。

母の胎内。

そして、光の届かない漆黒の闇でした。

視覚がなくなった世界で、人は何を頼りに周囲を感じるのでしょう。

音。

温度。

触覚。

そして、におい。

香りには、私たちが思っている以上に原始的な情報が含まれています。

まだ言葉を持たない赤ちゃんにも、嗅覚はあります。

ある香りを嗅いだだけで、何十年も忘れていた記憶が突然戻ってくることもあります。

だから香りというものは、とても不思議です。

香りは「いい匂い」だけではない

AOFでは、世界各地からさまざまな天然香料を扱っています。

花。

葉。

果皮。

種。

木。

根。

樹脂。

その中には、誰が嗅いでもすぐに「いい香り」と感じるものばかりではありません。

少し苦いもの。

土のようなもの。

薬のようなもの。

煙のようなもの。

動物的に感じるもの。

けれど、そうした香りが少し入ることで、香り全体が突然生き生きすることがあります。

人間も同じなのかもしれません。

明るい部分だけでできているわけではない。

甘い部分も、
苦い部分も、
暗い部分もある。

今回の調香会で出来上がった香りを見ながら、そんなことを考えました。

鼻だけではなく、身体で香りを感じてみる

もし精油や香水を何本か持っていたら、ぜひ一度試してみてください。

香りを嗅いですぐに、

「好き」
「嫌い」

と決めずに、

少しだけ静かにして、

身体がどんな反応をしているか観察してみる。

呼吸が深くなる。

肩の力が抜ける。

逆に少し緊張する。

昔の風景が浮かぶ。

何も浮かばないけれど、なぜかもう一度嗅ぎたくなる。

それもすべて、香りとの出会いです。

香りには、正解がありません。

「いい匂いかどうか」だけではなく、

自分の中で何が起きたのか。

そこに目を向けてみると、いつもの香りが少し違って見えてくるかもしれません。

AOFではこれからも、香料そのものの魅力だけでなく、香りと人とのあいだで起きるさまざまなことをお伝えしていきたいと思います。

★SOW調香学校で使用する天然香料はすべてAOFの香料を使用しています。

0件のコメント

コメントを残す