ローマンカモミールとジャーマンカモミールの違いについて

ローマンカモミールとジャーマンカモミールはどちらも人気のあるハーブです。
今、その季節到来で満開の花が私たちを視覚的にも嗅覚的にも楽しませてくれます。
カモミールの優れたリラクセーション効果は広く知られています。

しかし、これら二つのカモミールがどのように異なるのか?
詳しく理解している人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、特に調香を行う人やアロマテラピーに興味を持つ人々に向けて、ローマンカモミールとジャーマンカモミールの違いについて深掘りしていきます。

1. 植物学的特徴

まず基本的な植物学的特徴から見ていきましょう。ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)は、一年生または多年生の植物で、主に低地で育ち、地面に広がる性質があります。一方、ジャーマンカモミール(Matricaria recutita)は、一年生の植物で、しばしば立ち上がる茎を持ち、高さが30cmから60cm程度になります。

2. 花の特徴

これら二つのカモミールの最も顕著な違いの一つは花の形状です。ローマンカモミールの花は、白い花弁と黄色の花盤が特徴で、ジャーマンカモミールの花も同じように見えますが、花盤がより突出しておりコーン状です。この花盤の形状は、両者を識別する際の重要な手がかりとなります。

3. 香りと成分

カモミールの香りはその使用において非常に重要であり、ローマンカモミールとジャーマンカモミールでは若干異なります。ローマンカモミールは甘く、リンゴのような香りがあり、リラクゼーションに非常に適しています。一方でジャーマンカモミールは、よりハーバルで草のような香りが強く、鎮静効果があるとされています。

カマズレン(Chamazulene)は、カモミールの最も重要な化学成分の一つであり、特にジャーマンカモミールに多く含まれています。この成分は、カモミールが持つ鎮静効果や抗炎症効果に大きく寄与しているとされています。

カマズレンは、その強い抗炎症作用と抗酸化作用で知られる青色の化合物です。この成分は、カモミールの花が蒸留される際に特に生成され、エッセンシャルオイルの色が特徴的な青色を呈する原因となります。

また、葉にもにおいがあるのがローマン、ないのがジャーマンです。

4. 使用と効能

両者の使用法も異なります。ローマンカモミールは主にスキンケアやリラクゼーションを目的としたアロマテラピーに使われることが多いです。それに対して、ジャーマンカモミールはその抗炎症作用から、消化不良や軽い痛みの緩和に使用されることが多いです。

5. 栽培と収穫

栽培面では、ローマンカモミールは比較的栽培が容易で、乾燥に強く、庭のグランドカバーとしても人気があります。一方、ジャーマンカモミールは成長が速く、繁殖力が強いため、コントロールが必要です。

6. 調香としての活用

調香においてこれらのカモミールはどのように使われるか、という点も非常に興味深いです。ローマンカモミールはその穏やかな香りから、リラックス効果を高めるブレンドや、睡眠を促進する製品に好んで使用されます。一方、ジャーマンカモミールはその鎮静と消炎作用を生かして、肌荒れや痛みを和らげる製品に利用されることが多いです。

ぱっと見た目で判断するには、中心部分の黄色のところがでっぱっていて、葉のにおいがなければジャーマンで、逆ならローマンです。

こんもりしてるのでジャーマン

 

中心部分がぺたっとしているのがローマン

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