かりんとマルメロの違いについて
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かりん(榠樝)とマルメロ(花梨)の違い
かりんとマルメロは日本でも馴染みのある果実ですが、異なる特徴と用途を持ち、似ているようでそれぞれに独自の魅力があります。以下では、かりんとマルメロの違いについて、植物学的な視点から用途や栽培に至るまで、詳細に解説します。
1. 植物分類と原産地
- かりん(榠樝)はバラ科ボケ属に属し、東アジア(日本や中国など)を原産地とする植物です。日本では本州や四国などでよく見られ、観賞用や実を楽しむために栽培されています。
- マルメロ(花梨)はバラ科マルメロ属で、中央アジア(特にトルコやイラン)が原産地です。マルメロは日本にも古くから渡来し、主に温暖な地域で栽培されていますが、寒さに弱いため、日本では比較的温暖な地域で育てられる傾向があります。
2. 外観と果実の特徴
- かりんは楕円形で、果実表面が滑らかで光沢があります。収穫時には黄色く熟しており、見た目はツルツルとしていますが、硬く渋みが強いため生食には適していません。
- マルメロはかりんに比べやや丸みがあり、果実表面には産毛が生えていることが多いのが特徴です。熟した状態でもそのまま食するには適さないため、加工用途が一般的です。
3. 香りと風味
- かりんは非常に芳香が強く、フルーティーで甘い香りを持ちます。この香りを活かし、香り成分を引き出した薬用酒やお茶などに加工され、昔から風邪予防や喉のケアとしても親しまれています。
- マルメロの香りはやや控えめで、かりんよりも酸味が強い香りが特徴です。加工することで風味が増し、ジャムやゼリー、コンポートなど甘味と酸味を楽しむ食材として幅広く用いられます。
4. 用途と加工法
- かりんは、その硬さと渋みのため、シロップやかりん酒として利用されます。特に喉に良い成分が含まれることから、風邪予防に効果があるとされ、薬用や香りの芳香剤としての用途が多いのが特徴です。
- マルメロは、加熱調理によって甘味が増すため、ジャムやコンポートとして料理に用いられます。酸味と甘味のバランスが良く、スイーツの材料としても親しまれ、特にヨーロッパではクリスマスの伝統菓子にも使われます。
5. 栽培環境と手入れの違い
- かりんは寒さに比較的強く、日当たりが少し悪い場所でも育ちやすい植物です。また、剪定も簡単で家庭菜園に適しています。
- マルメロは温暖な気候を好み、寒さにやや弱いため日本では主に関東以南で栽培されます。温暖な地域でないと実付きが悪くなるため、栽培には注意が必要です。
かりんとマルメロはそれぞれ異なる特性と用途を持ち、香りや味わい、栽培条件も異なります。どちらの果実も日本で馴染みがあり、家庭で育てる場合にはそれぞれの特徴に合った環境を整えることで、豊かな香りや風味を楽しむことができるでしょう。
私は毛が生えてるか生えてないかで確認をしています。
蒸留をしてハイドロをとると甘く優しい香りの水が取れます。